ピアノ演奏のボランティアで老人ホームに癒しを届けよう

ピアノの音色は、時として人の心を癒してくれるもの。全国各地に無数に存在する老人ホームでは、そんな心の支えとなるピアノの演奏をしてくれるボランティアを受け入れている所もたくさんあるようです。

小学校や中学校の授業の一環で老人ホームを訪問した経験は多くの人にあるかもしれませんが、そこでピアノの演奏をした人はそれほど多くないのではないでしょうか。

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どんな曲がピアノで演奏されるのか?

実際にどんな曲が演奏されているのか、というと一概には言うことができません。ですが、老人ホームという高齢者の方々が多く集まる場所であるがゆえに、昭和時代の名曲が勢揃いしているのは間違いありません。若者たちにとっては馴染みが少ないかもしれませんが、そうした昭和を代表する曲はやはり実際に盛り上がることも多いみたいです。

施設の訪問コンサートでよく演奏される楽曲をまとめた楽譜集が発売されているので、もし色々な楽曲を演奏するスキルを身に付けられれば、聴く人の心を掴むことだってできるかもしれません。例えば、定番の曲では「坂本九」さんの『上を向いて歩こう』や「美空ひばり」さんの『川の流れのように』、そして「山口百恵」さんの『いい日旅立ち』などが挙げられます。

どんな世代でも知られているような名曲は、やはりこういった場でも人気なのですね。しかし、こういった昭和の代表曲以外にも、『ふるさと』や『さくらさくら』といった伝統的な楽曲も好まれるようです。ボランティアで曲を演奏するとなれば、素人でも弾けるようになれる定番曲が最適なのでしょう。

楽譜集は弾く人のレベルによってアレンジされているものも多いので、ピアノ演奏のボランティアに興味がある方は手に取ってみるといいかもしれません。

どんな人がボランティアとして個人で演奏をするのか?

老人ホームに行き、個人で訪問コンサートのボランティアをする人の年齢層は様々。多くの老人ホームはその地域と密接な関係を持っているため、地元のピアノ教室に通っている学生から音楽大学を卒業した大人まで、幅広く受け入れを行っています。

あくまで「ボランティア」であるためそれほど高度なスキルは求められないのだとか。その地域の役場や市役所に問い合わせてみるといいでしょう。なお、アルバイトという形式でピアノ演奏者を募集している場合も中にはあるようですが、数は少ないです。

時間や場所の制約を受けてしまうので、個人でこのボランティアをする人はある程度ピアノのスキルを持ち、かつ比較的日々の生活に時間の余裕がある人だと言っていいです。ちなみに、団体で音楽を演奏する、となると、エレクトーンが多めになるようです。

どうやったら老人ホームでピアノ演奏ができるのか?

一般的に、老人ホームを含め保育園や病院などでは直接「ピアノの演奏ボランティアをさせてほしい」という旨を問い合わせてみると良いのだそうです。

地域密着型のそういった施設では地元の演奏者を歓迎してくれるケースも多いので、「老人ホームでピアノのボランティアがしたい!」と熱意を抱いている方は、まずは一度電話を掛けてみるのが良いでしょう。

実際に、ハロウィンやクリスマスといった施設を挙げての大きなイベントがあるシーズンでは、演奏のボランティアを募集する所も多いです。自治体がインターネットでホームページを持つ地域も多くなり、気軽にその地域のお便りがウェブで見られることもあります。

したがって、自分が住む地域や行きたい場所でボランティアを募集する情報がないかをこまめにチェックしてみるのもいいかもしれません。

それから、もう一つの手段としては何らかの音楽団体やサークルに所属することがあります。例えば、定期的に介護施設で演奏を行っている団体に参加していると、時として施設側から依頼を受ける場合があるようです。インターネットで検索をするとかなりの数がヒットするため、個人ではなくチームでボランティアをしてみたい方は一度探してみてはいかがでしょうか。

ピアノ演奏のボランティアで気を付けるべき点は?

いざボランティアとして依頼を受け、老人ホームに演奏をしに到着した時に、いくつか気を付けねばならない点があります。それは「自分の全身を使ってパフォーマンスをする」ということと「聴いている人にも演奏に参加してもらう」ということです。

これは特に音楽団体に参加した場合に気をつけておきたいことですが、個人で演奏をする場合にもぜひ覚えておきたい二点です。なぜかというと、自分からそのコンサートに足を運んでくれた人でないと、演奏を飽きずに最後まで聴いてくれるかは分からないからです。

老人ホームの利用者の方々は、ピアノ演奏のボランティアが来るという情報をその当日に知ることも多いです。

中には、音楽に全く興味がないという人もいるかもしれません。

それゆえ、全員が演奏者に興味を持ってくれるとは限りません。この点からそうした工夫を凝らしたパフォーマンスは重要になってくるのです。もし自分が楽しそうにノリノリで演奏をしたら、利用者の方々も楽しい気分になってくれるかもしれませんね。

また、レクリエーションのように参加型にするというのも押さえておきたいポイント。例えば、演奏する前に歌詞カードを配って一緒に歌ってもらったり、合いの手を伝えて実際に演奏の途中にやってもらったり、という風にすると、盛り上がってくれる可能性が高くなります。

ズバリ、老人ホームでピアノ演奏ボランティアをする魅力とは?

このボランティアに参加するメリットや魅力は一体何なのか。それは「人の役に立てる」ことであったり「人生経験を豊富にできる」ことであったりと様々です。けれど、まず一番は「利用者の方々を笑顔にできる」ということでしょう。

デイサービスセンターとは違うため、老人ホームを長く利用している方は特にあてはまることですが、毎日家族に会えるという環境にある訳ではありません。中には、滅多に家族が面会に来ず孤独感を抱いている利用者の方もいるのは事実で、寂しい気持ちを抱いている方も少なくないでしょう。

しかし、そこでピアノの演奏を使い、彼らの心を癒すことができるかもしれません。ボランティアは無給ではありますが、お金の価値とはまた違った価値を味わうこともできるのです。この魅力に加えて、「色々なバックグラウンドを持った人と出会うことができる」というメリットもあります。

これはあらゆるボランティア活動に言えることですが、老人ホームという特殊な場所でピアノ演奏をする以上、人生の先輩たちとの交流や普段味わえない日常を体験できるという点は、自分への刺激や元気の源にもなるのです。